私がいえでしか働けない理由
「在宅でしか働かないの?」「外で働けばもっと稼げるのに」
そう言われるたびに、苦笑いするしかなかった。
でも、本当はちゃんと理由がある。というより、理由がありすぎて“外で働く”という選択肢が取れないだけなんです。
これは、私が「家でしか働けない」と判断せざるを得なかった事情を、正直に書いた記録です。
1. 通勤ができない──パニック障害と乗り物恐怖
満員電車、密閉空間、急に動けなくなる不安。
私はパニック障害を持っていて、特に通勤時間帯の公共交通機関に乗ることができません。
これまで何度も克服しようと試みたけれど、発作が起きるたびに自信を失っていきました。
会社に出勤することができない。
それだけで、選べる仕事の幅は大きく狭まりました。
2. 化学物質・においへの過敏症──職場にいられない身体
柔軟剤、消臭スプレー、新しいオフィス家具、接着剤、文具のインク。
そういった「普通の職場にあるもの」が、私には体調不良の原因になります。
化学物質過敏症(CS)という症状を知るまで、「なぜ自分だけこんなに具合が悪くなるのか」すらわかりませんでした。
頭痛、吐き気、だるさ、めまい──何気ないにおいで、丸1日動けなくなることもあります。
職場に“いられない身体”である以上、自宅以外で働くのは無理なのです。
3. 外食ができない──胃腸の不調と会食恐怖症
社会人として働くには、会食、ランチ、打ち合わせの食事──避けられない「外で食べる機会」があります。
でも、私は胃が弱くなってしまい、外食をすると高確率で体調を崩してしまう。
それに加えて、会食恐怖症。
誰かと一緒に食べること自体が大きなストレスになり、嘔吐や過呼吸が出ることもあります。
「お昼に何食べる?」という何気ない会話が、仕事の継続を断念する引き金になったこともありました。
4. 家を空けられない事情──家族を支える日常
私には、不登校の子どもがいます。
日中、家にいて見守ってあげることが、私にとっては“母親としての役割”です。
また、親の介護も少しずつ始まっています。
定期的な連絡、突発的な対応が必要になる日常の中で、「9時〜17時のフルタイム勤務」は現実的ではありません。
“何かあったときにすぐ動ける場所”で働く必要がある。
だから、私は「家にいること」を最優先にするしかないのです。
5. 長時間座れない・息苦しさ・光の刺激──身体が要求する働き方
腰の不調があり、長時間座っていると激痛が走るようになります。
また、自律神経の乱れから、息苦しさや動悸が出ることも多く、1日のうち何度か「横になる時間」が必要になります。
加えて、蛍光灯の強い光が苦手で、オフィスの環境はとても耐えられるものではありません。
こうした身体的な負担が積み重なり、「働く=体調を崩す」という悪循環に陥ってしまうのです。
6. 「わがまま」じゃない。「生きていくため」の選択
これだけ理由を並べても、「それでも頑張って働いてる人はいる」と言う人もいます。
でも私は、身体も心も生活環境も、「外勤に耐えられない」状態だった。
だから、家で働くしか選択肢がなかったんです。
家でしか働けないというのは、逃げではなく、生きるための戦略です。
今の私は、自分のペースで働ける在宅の仕事に出会い、少しずつ生活を立て直しつつあります。
きっと、同じように「どうしても外に出られない人」がいるはず。
その人たちに、「あなたは間違っていない」と伝えたい。
まとめ:在宅でしか働けない人に、居場所を
- パニック障害で通勤が困難
- 化学物質過敏症で職場の環境が合わない
- 胃の不調・会食恐怖症で外食ができない
- 家族(子ども・親)との事情で家を空けられない
- 座り仕事・蛍光灯が身体に負担
- だから私は「家で働くしかない」
働き方に「正解」はありません。
でも、「事情を抱えている人が無理せず働ける環境」は、もっと増えてもいい。
在宅でしか働けない人にとって、それは“消極的な選択”ではなく、“自分を守るための前向きな選択”なのです。
この記事が、誰かの理解や共感につながりますように。
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