パニック障害とワンオペ育児|シングルマザーの「限界」を救う方法
突然、息が苦しくなる。動悸がする。
子どもの前で具合悪さをみせたくない。不安にさせてしまう。
そんな恐怖を抱えながら、ひとりで育児と生活をこなして続ける毎日。
パニック障害と診断されても、日常は配慮してくれません。また理解もなかなか得られないことが多いです。
「母親」だから、「シングルマザー」だからと、すべてを一人で背負ってしまったまま症状の改善のタイミングがありません。
パニック障害とは?子育てに与える影響
Point:パニック障害は、「いつ発作が起きるかわからない」という不安そのものが症状を悪化させてしまう病気です。
Reason:主な症状には、呼吸困難感、胸の圧迫感、めまい、強い不安感などがあり、特に子どもと二人きりの状況では発作への恐怖が倍増します。
Example:たとえば、子どもとスーパーへ行ったとき、突然発作が起きそうになり、「倒れたら誰がこの子を守るのか」とパニックになってしまうケースも。
Point:つまり、パニック障害は心だけでなく「子育てそのもの」の「普通」が難しくなる病でもあるのです。
「ワンオペ」の現実|逃げ場のない子育て
パートナーのいない育児。日中も夜間も、一人で子どもを見る。これが「ワンオペ育児」です。
シングルマザーにとってそれは、日常であり、そしてかつ毎日が非常事態でもあります。
- 病気になっても、代わりがいない
- 保育園の呼び出しも、買い出しも、自分だけ
- 体調が悪くても平常運転するしかない
誰にも頼れない日々の中、パニック障害の不安を抱えながら子育てをする状態は、今振り返れば偉人状態です。
パニック発作が起きたとき、どうする?
まずは、発作時の対処法を知っておきましょう。
- 深呼吸:「4秒吸って、4秒止めて、4秒吐く」を意識して呼吸を整える
- 冷たい水を飲む:口の中を冷やすことで交感神経を落ち着かせる
- その場から離れる:可能であれば静かな空間に移動する
- 子どもに一言伝える:「ちょっと休ませてね」と短く説明するだけでも安心感を与えられる
とはいうものの、こういうアドバイスって役に立たないですよね。
だって、そんな方法試している精神的余裕がないですもん。しかも、予防できたり、予測できるタイプとは違ってなにがきっかけになるかわからない。大きな音かもしれないし、フラッシュバックかもしれない。TVの内容かもしれない。
ただ、こどもにひとこと伝える、は大事なことだと私自身も感じます。小さくても、親の不調は不安感を抱えさせてしまいます。
なにかわからない状態ではなく、「気分が悪いから少し休むね」程度でも共有することで、こどもなりに納得してくれます。
将来的に不安感を抱えてほしくないというこどもへの思いも緊張感につながることもありますので、ある程度共有することで気を楽にしましょう。
頼れる制度や支援は「遠慮なく使う」
親が不健康ゆえの不安感を与えたくない。その気持ちはとてもわかるしできるだけ元気で遊びにも付き合ってあげたい。
その代わり頼れる制度や支援は使うのが自分とこどもを守る方法のひとつでもあります。
もともと欲がなく「してもらう」ことに申し訳なさを感じるタイプであっても、ここはいったん性格を変えるべきところです。なぜなら、その遠慮が「こどもが無理する環境」へとつながってしまうからです。
探してみれば、国や自治体には、ワンオペ育児や精神的な不調をサポートする制度がいろいろとあります。
- 児童扶養手当:収入が一定以下のシングル家庭に支給
- 母子生活支援施設:育児困難な場合に親子で入所できる
- 訪問型子育て支援:家事や育児を手伝ってくれる地域ボランティア
- 心療内科・通院治療:保険適用で診察・投薬が可能
- 一時保育・病児保育:「少しだけ休みたい」時に利用可能
養育費をもらっていたり、こういった公的支援に該当しない場合は、民間のサービスを使うこともよいでしょう。
◆民間の家事代行サービス
「申し訳ない」と感じることはいったん忘れ、こどもの心身の安定を保てるのは何か、といった尺度で考えましょう。
支援を受けることは、親としての責任感から逃げることではありません。本来、国や社会が、様々な環境下で子育てする親たちに必要な施策を整えておくべきなのです。それは未婚とか不倫とか、自己責任とかいったんおいておいて、子ども側の権利として。その社会課題にだいたい「制度・法律」を作るひとたちは気づきにくい。だって安定した生活と職で生きてきているのだから。どんなポイントで困るのか優先度などわかっていないでしょう。
罪悪感を手放すためのセルフケア
発作の不安、育児の責任、家計の不安…
全部を一人で抱え込めば、体も心も崩れてしまいます。
まずは、自分だけのことを考える時間を5分でも持ちましょう。頭のなかを整理する時間です。抱え込むな、と言われても抱え込まざるを得ない環境だし、性格的にも投げ出せないはずです。
- 深呼吸しながらコーヒーを飲む
- スマホを置いて、空を眺める
- 子どもが寝たあとに、好きな音楽を聴く
追われない時間を少しもつことで客観的な見方をとりもどしていきましょう。
まとめ|自分が楽するためにではなく「こどもの笑い」のために
- パニック障害を抱えて普通のことをするだけでも「偉人」レベルの所業
- こどもに具合の悪さを見せないことより不安を感じさせない
- 外部はどんどん利用する
月並みだけど、子どもは、キャリアだったり学歴だったり、不倫されたされない、魅力が、とかより
「親が笑っている」ことが好き。自分のため、ができないタイプは、こどものために「権利」を取りに行く。自分が限界を超えないことが
こどものためになる。そういうことを目指して支援や制度を頼ることの申し訳なさを超えていく。
こどものために自分を守る、そういう視点でなら「頼る」が実践できそうではないでしょうか?
コメント